2012年5月9日水曜日

作品の講評会



5月に入り、日差しも暑く感じる日が増えてきました。
これからの季節は緑の写真撮影にも最適な季節となりそうです。

さて、3月と4月の撮影会では和歌山県の潮岬や大阪にて桜の撮影などを行いました。今回は、その中からフィルムで撮影された作品をご紹介します。


写真上:小川 久味
薄く霞んだ空を背景に赤い椿が憂鬱な表情を見せています。フィルム独特の生っぽさが俯いた花の悩ましさをより引き立てており、花の奥に向けてのボケ具合も適度に演出されているところもベスト。作者の静かで美しい時間を大切にする理想が見る人に美を感じさせる作品。


写真中:畑中 昭
色合いが摩訶不思議な雰囲気を感じさせる写真です。これは橋杭岩を写した写真と別の写真を合成したもので、一見、技術的な側面に目を奪われがちですが、それよりも黒い岩のシルエットと赤や緑がかった色の絶妙な世界観を味わうことが粋な楽しみ方だと感じます。
注意点はホコリやキズなどが多いので、それらの対策をもう少し講じる必要があります。


写真下:辻 有理亜
大阪の天満橋の上から西に目を向けると中之島を見ることができ、右手には西天満公園の桜が目立ちます。こちらでは4月の上旬から中頃にかけては美しい桜の風景を写真にすることができるでしょう。一方、作品は行き交う船を上手にアクセントにするなど、水辺に咲く桜を丁寧に描写した写真となっています。また、夕方の光線によって浮き立つ姿も綺麗。


講評:西山武志